メタボリックシンドロームって?

内臓脂肪などが原因となって、血糖や脂質、血圧などに異常を起こす疾患です。 動脈の硬化を進みやすくなるため「心筋梗塞」や「脳梗塞」になりやすくなってしまいます。

こんな例があります。49歳男性会社員、身長は165センチ、体重が70キロと小太りで、特にお腹のあたりが太かったようです。彼は、人一倍仕事熱心で、毎日遅くまで残業し、帰宅はきまって夜10時頃でした。 会社では毎年、検診を受けていましたが、30歳ころから。肝機能に軽度の異常があり、脂肪肝と言われるようになりました。中性脂肪値もしばしば高くなっていたようです。 40歳くらいから、血圧がやや高めになってきました。一昨年春の検診結果には「血圧や脂質に軽度の異常が見られます。日常生活に注意してください」と印刷されていましたが、「医療機関に受診せよ」とは書いていないので、「たいしたことないや」と軽く考えて、特に何もしませんでした。その秋念願の課長に昇進し、付きあいで飲食をする機会も増え、体重が75キロになっていました。

昨年2月、会社の決算期で残業が続き、家庭でも息子が大学受験に2年つづけて失敗し、ストレスが増え、それに比例して、タバコの本数も増えていました。 上司になると部下のミスも気になるようになりますが、若い部下へのしかり方は難しく、気苦労が多かったようです。 ある朝、目を覚ますと、ろれつが回らず、右半身に力が入りませんでした。 すぐに救急車を呼んで、近くの病院に搬送されましたが。検査の結果は脳梗塞でした。

リハビリも行ったようですが、思うように改善せず、会社を辞め、現在は無職で車椅子の生活を余儀なくされています。周囲の人は「命に別状がなくてよかった」と言ってくれますが、自力ではほとんど動けず、先の展望もなく、家でじっとしている生活に、生きがいを失ってしまっています。 奥様も、ご主人の介護と、生活のためのバイトで、心身ともに疲れ果ててしまっていました。息子さんも受験をあきらめ、就職しましたが、長続きせず、現在はフリーターをされています。

Aさんのような家庭は決して珍しくありません。ご主人にとっても、奥様にとっても、ご子息にとっても、たった一度の大事な人生が、突然の脳梗塞の発作により壊されてしまったのだから…。 メタボリックシンドロームの怖いのは、このように何の前兆もなく、検査でも、それほど悪い所見ではないのに、知らない間血管の老化が進み、ある日突然発作が起こり、一家を不幸のどん底に陥れることにあります。